有名政治家を父親に持つ葉山直樹は、夏休みの間ヒマを持てあましていた。せっかくのバスケ部合宿だったのに、父親に邪魔されて参加できなくなってしまったのだ。
そんな直樹を事あるごとにからかってくる、同じ階の住人、吉澤仁志。不良っぽいし、すごくむかつくヤツなんだけど、バスケは上手いし、助けてくれたりする。そんな吉澤が直樹は気になって仕方がない…。

【直樹】
「俺も行きたかったなぁ…」
せっかくの夏休み。寮に入ってる奴らのほとんどは、家に帰ったり部活の合宿へ行ったりで、残っているのはほんの数人。
友達は誰も残ってないから、俺1人でいるのと、ほとんど変わりはない。
そりゃあ夏休みの課題はあるし、やる事…ってぇか、しなくちゃいけない事がまったくないとは言わない。
だけど合宿に参加出来なかった今、他の事をする気になんかこれっぽっちもなれなくて…。
【直樹】
「ちぇっ…。みんな、楽しんでるんだろうなぁ…」
地獄の合宿と噂されるバスケ部恒例夏の合宿だってのに、参加出来なかった俺はただため息をつきながら、みんなをうらやましがってばかりいる。
あぁ…。なんて非建設的な俺。

【仁志】
「お前、動きの1つ1つが大げさなんだよ。それに…よっと」
【直樹】
「あっ!」
吉澤の手から放たれたボールは、あっと言う間にリングの中へと吸い込まれた。
あいつの目は、確かに俺の顔を見ていたのに。
【仁志】
「どうした? これくらいで驚いてるようじゃ、お前もまだまだだな」
【直樹】
「なんだとぉっ!?」
鼻で笑うような吉澤の言い方に、一気に頭に血が上ってしまった。
ボールはとっくに、また吉澤に取られてしまっている。
思わず突進してしまったけど、そんな俺を吉澤はひらりとロールターンでかわしてしまった。
【直樹】
「あぁっ! チックショウッ!!」
【仁志】
「…ガキ」
【直樹】
「なんだとぉっ!!」
【仁志】
「すぐに頭に血が上るから、ガキって言ってやっただけだよ。悔しかったら、もっと冷静になるんだな」

■原画家コメント■

憧れのゲーム原画マンの仕事は難しかった…けど楽しかったです。
どんなゲームになるのか、完成が楽しみです。

(蓮見桃衣)

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