【太陽】「センパイ、大好き!」
【明日叶】「わっ」

太陽は笑顔全開でしがみついてきた。
勢いでごろっと芝生の上にひっくりかえる。

【明日叶】「こら! 重い…だ、ろっ!」

俺の抗議を太陽は全く聞いてない。
しかも、のしかかって顔をすりすりすりよせてくる。

【太陽】「へへ、あったかーい」
【明日叶】「……しょうがないヤツだなあ」

確かに、夜気で冷えてきた体には、太陽の温もりは心地よかった。

【太陽】「くんくん、くんくん」

太陽が耳の下あたりに鼻を押し付けて、匂いをかいでくる。
髪の毛が首筋を掠める感触がくすぐったい。

【太陽】「んー、センパイ、すっげえいいニオイがする……ふわーんとして……」
【明日叶】「よせ、くすぐったいってばっ」
【太陽】「なんかすっげえおいしそう」
【明日叶】「うあっ…!」
【太陽】「……ん」

あたたかくて湿った感触が首筋に触れる。

【明日叶】「……っ!?」

もしかして……なめた?

【明日叶】「太……陽?」
【太陽】「ん……へへっ、なめちった」

悪戯がばれたように、太陽は肩をすくめて、ちろっと小さく舌を出してる。
無邪気な子供みたいな仕草なのに…。
だけど……俺は……なめられた瞬間、背筋がぞくっとして、わけのわからない火照りが広がっている。
なんなんだ……。
この感覚……。

 

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