【明日叶】「……もう朝か……」
背後からは、規則正しい寝息が聞こえてくる
結局、一晩中、ディオは俺を離してくれなかった。
ゆるく俺を抱き締めたまま眠っているディオの、昨晩の声を思い出すと、胸がせつなく揺れてしまう。
何があったのかわからないけど、いつものディオらしくない事だけはハッキリしてた。
【明日叶】「ディオ……」
【ディオ】「………………」
今は静かに眠っているけれど、目が覚めたディオは、どんなディオなんだろう?
いつものディオに戻っていて欲しいような、そうでもないような……。
【明日叶】「起きろよ。遅刻するぞ」
【ディオ】「……ん……」
腰に回る手をほどこうとしたが、逆にもっと強く抱き寄せられる。
寝てるんじゃなかったのか?
【明日叶】「おい、ディオ?」
視線を送れば、ディオははっきりと目を開けていた。
上目遣いに覗き込むと、ニヤッと笑う。
身体を包み込む腕の力が強くなった。
【ディオ】「昨夜は迷惑かけたからな。お礼に気持ちよくしてやろうと思ってさ」
【明日叶】「……お礼?」
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