【??】「そのぐらいにしておけ」
不意に、地を這うような低い声が聞こえてくる。
【Gray】「な、んで…あんたがここに……」
狼狽えた様子で黒尽くめの男を見る。
【男】「ずいぶんな言いぐさだな、なんでも何もないだろう。お前の方こそ、仕事をさぼってこんな場所で何をやってる?」
無精髭を浮かせた太い顎を摩りながら、口元にはどこか楽しそうに笑みを浮かべている。
【男】「俺はお前に、こんな奴らをファックしろなんて頼んだか?」
【Gray】「俺…は……」
【男】「そいつらはターゲットじゃない。お前になんの関係がある?」
【Gray】「……あんたには、関係ない」
あからさまに視線を逸らし、言葉を唾棄する。
【男】「ほう。お前がこの俺にそんな口を利くのか」
にやりと黒尽くめの男が笑う。
その微笑みを目にして、俺の背筋が条件反射のようにぞくりと震え上がった。
本能的な嫌悪と恐怖だ。
黒尽くめ男はおもむろに、黒い革手袋に包まれた手を大きく振り上げると、そのまま風を鳴らしながら振り下ろす。
【Gray】「うっ」
【男】「自分の立場をわきまえろ」