| 【克哉】 「やっと気づいたか。鈍い奴だ」 自然に喉の奥が震え、克哉は笑い出していた。 剥き出しの憎悪を視線に乗せて、叩きつけてくる御堂の様子がおかしくてならない。 【克哉】 【克哉】 【御堂】 御堂の目は、克哉が手にしたネクタイに注がれていた。 たるませて、パンッと音を立てて引き延ばすと、御堂の顔が微かな恐怖の色に染まる。 怯えているのか? 【克哉】 ニィッと笑った克哉を目にした御堂の瞳に、今度こそはっきりとした恐怖が浮かぶ。 首でも絞められると思っているのだろうか? もっともこれから克哉がしようということを知れば、御堂の恐怖はどう変わるか。 それを思うと、克哉は早く先へ進みたくて仕方がなくなる。 【克哉】
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